年金アパートの新たな住人

こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。
昨日の記事※では、日本の年金制度の歴史をアパート経営に例えて説明しましたが、今後空室が目立ち始めた年金アパートの新たな住人として、国が大いに期待している人たちがいるのをご存じでしょうか?
それは、ズバリ近年急激に増え続けている外国人労働者です。
今や国内で200万人もの外国人が働いていますが、今後40年余りで日本の全人口の1割を超えます。
彼らが経営難に陥っている「国民年金荘」や「厚生年金荘」に入居して家賃を払ってくれれば、同じアパートに、家賃免除でお小遣いをもらって入居している日本の高齢者は大いに助かるでしょう。
しかも、国としては、外国人に年金アパートに入居してもらうのは大きなメリットがいくつかあり、
・若年層が多いので、今後長期に渡って家賃(保険料)を払ってくれる
・ほとんどの外国人労働者に数年の在留期限を設けているので、家賃を払うだけ払って、家賃免除やお小遣い(年金)をもらう資格を得る前に帰国する
・「厚生年金荘」の入居者なら、家賃(保険料)が給与天引きになり、未加入や未払いが発生しない
日本国籍を持たない外国人の国民年金加入者が帰国して脱退する場合、保険料を返してもらえる「脱退一時金」の制度がありますが、手間がかかる手続きを果たしてどれだけの外国人が行うでしょうか?
いわば家賃(保険料)払い損となる若い外国人労働者をどんどん増やすことは、単に労働力不足を補うだけでなく、年金アパートの経営にとっても、今後死活問題になっていくでしょう。
ただし、忘れてならないのは、今まで日本人だけだった年金アパートに外国人が大量に入居することになれば、間違いなく摩擦が起きるということです。
最近外国人による凶悪犯罪のニュースを耳にすることが増えました。
同時に、ベトナム人女性の技能実習生に対する避妊勧奨など、外国人労働者に対する明らかな人権侵害も多発しています。
長年に渡り、少子高齢化への対策を怠ってきた日本のツケを若い外国人労働者に払わせるなら、せめて彼らを新たな住人として、温かく迎えてあげる必要があると思います。
※ 2024年1月31日 『国民年金、38年前の誤算』
