【所得税】国が気づいて欲しくない真実

こんにちわ。FPの金蔵(きんぞう)です。
今年の春は賃上げの話題で盛り上がりそうですね。
ホンダとマツダ、賃上げを満額回答といったニュースが今朝ありました。
「物価高に負けない賃上げ」とか、「デフレ脱却」とか、国や企業のトップからはキレイごとが聞こえてきますが、要するに人口減で働き手が減っていく中、労働力をつなぎとめたいというのが本音ではないでしょうか。
賃上げで給料が上がっていくのは喜ばしいことですが、納税者として気をつけなければいけないことがあります。
それは、給与が上がれば、その分支払う税金(=所得税)も増えるということです。
給与が上がるんだから、仕方ないといった声も聞こえてきそうですが、所得税の仕組みを知れば、そうとばかり言っていられません。
所得税の計算はおおざっぱに言って、収入から経費やいろんな控除を引いて、税率をかけますので、賃上げで収入が上がれば、納める税金は増えていきます。
しかし、物価高が進んでモノやサービスの値段が上がる以上、引いてもらえる経費や控除も同時に上げてもらえないとおかしいと思いませんか?
分かりやすい例で言うと、サラリーマンなどの給与所得者は、収入から<必要経費>として、給与所得控除額が引かれますが、物価高で<必要経費>も値上がりしているのだから、給与所得控除の金額も当然上げていかないといけません。
自営業者の事業所得や大家さんの不動産所得では、<必要経費>として、値上がりした光熱費や人件費、材料費などをそのまま引けるのですから、明らかに不公平ですね。
また、個人的事情を配慮して、税金を減らしてもらえる配偶者控除や扶養控除、ひとり親控除なども、現在の一定額を物価高に合わせて増やしていかなければ、本来配慮してもらえる人たちの税負担がどんどん重くなっていきます。
昨年6月には、政府の税制調査会で、サラリーマンの給与所得控除を中長期的に縮小していく方向が示されました。
給与から税金を天引きされているサラリーマンには、ピンとこないかもしれませんが、物価高の中、サラリーマンの<必要経費>を引き下げてくのは、明らかにサラリーマン増税です。
今年一回限りの一人4万円の定額減税などでごまかされてはいけません。
このブログでは何度も取り上げていますが、本来個人で納めるべき税金を、会社に天引きさせる<源泉徴収>という仕組みが、日本人の納税意識を麻痺させ、しいては投票率の低下を招いています。
個人的には、日本のサラリーマンに<源泉徴収>の選択制を導入して、会社が天引きするのではなく、自分自身で納税する選択肢を与えるべきだと思います。
自分で納税して、税金の仕組みや計算方法を知ることこそ、来るべきサラリーマン増税の時代を生き抜くヒントになるのではないでしょうか。
